2003年10月アーカイブ

第58巻第10号

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cover0310.jpg表紙から
高速回転するブラックホールのまわりの「空間の引きずり効果」によりねじられた磁力線。中央の黒い球面はブラックホールの地平面を表している。ブラック ホールはこの図に向かって反時計方向に回転している。そのまわりの黄色い透明な面はエルゴ領域(ブラックホールの「空間の引きずり効果」のためにあらゆる 物質、エネルギー、情報がブラックホールと反対方向には回転・伝播できない領域)の表面を表している。赤色の管はエルゴ領域を貫く磁力線、緑色の管はエル ゴ領域の外の磁力線を示している。エルゴ領域を貫く磁力線がブラックホールの回転方向にねじられていることが分かる。この磁力線のねじれは磁力線に沿って アルベーン波として外側に伝播してゆき、エルゴ領域内のエネルギーを外に放出する。磁場が強いとエルゴ領域のエネルギーは急激に減少し、ブラックホールが 1回転する間に負になる。この「負のエネルギー」状態のプラズマがブラックホールに落下するとブラックホールのエネルギーは減少する。この一般相対論的電 磁流体力学を用いた数値計算結果は磁場による回転するブラックホールのエネルギー引抜きを示している。詳細は本号の解説記事参照。 (富山大学工学部 小出眞路氏提供)


解説
山田和芳、藤田全基: ストライプ状態と銅酸化物高温超伝導――スピンとキャリアが作る縞模様――
小出眞路、柴田一成、工藤哲洋: ブラックホール:磁場による回転エネルギーの引抜き
菅 滋正、関山 明: 高分解能軟X線光電子分光による強相関系のバルク電子状態の研究
最近の研究から
山本 俊、小芦雅斗、Sahin Kaya Ozdemir、井元信之:雑音に埋もれたエンタングルメントの抽出
鈴木俊法:化学反応の実時間追跡――フェムト秒光電子画像観測―
新著紹介小特集「物理入門書の紹介」
前田京剛、門信一郎、今井正幸: 第3回「実験から導く物理の教材」
新著紹介
金野秀敏: 蔵本由紀: 新しい自然学; 非線形科学の可能性
田辺圭一: J.Pekola, B.Ruggiero and P.Silvestrini, ed.: International Workshop on Superconducting Nono-Electronics Devices
奥薗 透: 西浦廉政: 自己複製と自己崩壊のパターンダイナミクス
杉山勝之: U.Bruzzo, V.Gorini and U.Moschella, ed.: Geometry and Physics of Branes
編集後記
諏訪雄二

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