2014年11月アーカイブ

第69巻 第11号

cover-14-11.jpg■表紙の説明 
有機金属分子の物性は,置かれている環境,つまり配位子場に強く依存する.磁性分子の持つスピンも,スピン軌道相互作用を介して配位子場により全スピン数や磁気異方性が決まる.図はCu(110)(2×1)-O表面上に吸着させた鉄(II)フタロシアニン(FePc)分子のSTM像とその構造モデルである.2種類の吸着状態をとり,Cu-O列とフタロシアニン間の角度によって区別される.FePc分子は全スピンS=1を持つ磁性分子であり,ゼロ磁場分裂に伴い分子面内に磁気異方性を持つ.STMを応用した非弾性トンネル分光測定で得られるスピン励起スペクトルから,この分子がCu(110)(2×1)-O表面に吸着することで,全スピンS=1は保持,磁化容易軸は分子面直へと変化することが明らかになった.この傾向は図示の2種の吸着状態で共通だが,異方性エネルギーに差が生じる.詳細は本号に掲載されている塚原規志氏らの「最近の研究から」記事を参照のこと.

■巻頭言
物理教育委員長として:「大学の物理教育」20周年記念増刊号と共に 須藤彰三 ...... 739

■現代物理のキーワード
バレートロニクス:第三のエレクトロニクス? 江澤雅彦 ...... 742

■交流
銀河と共に進化する超大質量ブラックホール 谷口義明 ...... 744

■解説
原子干渉計を用いたベリー位相の測定 盛永篤郎 ...... 753

■シリーズ「量子論の広がり―非局所相関と不確定性―」
宇宙初期ゆらぎのエンタングルメント 南部保貞 ...... 763

■最近の研究から
遷移金属カルコゲナイド2次元結晶―超伝導から円偏光発光素子まで― 張 奕勁,岩佐義宏 ...... 771
走査トンネル顕微鏡で捉えた単一磁性分子の磁気異方性スイッチング 塚原規志,川合眞紀,高木紀明 ...... 777

■話題
国際リニアコライダー(ILC)の現状 高橋 徹 ...... 783

■JPSJの最近の注目論文から
7月の編集委員会より 安藤恒也 ...... 788

■PTEPの最近の招待・特集論文から
2014年8月号より 坂井典佑 ...... 790

■新著紹介 ...... 792
Introduction to the Statistical Physics of Integrable Many-body Systems:松井 千尋
放射線計測ハンドブック(第4版):荻尾 彰一

■男女共同参画推進委員会だより ...... 795



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