JPSJ注目論文

JPSJ 2008年2月号の注目論文

「第一原理分子動力学計算で電極反応ダイナミクスを解明する」

理科の実験でもおなじみの水の電気分解の電極近傍において、電子はどのように状態を変え、水素原子や水分子はどのように振舞っているのだろうか? 東京大学、大阪大学、日本電気(株)、および産業技術総合研究所の研究者からなる産官学合同の研究グループは、この電極反応ダイナミクスの微視的(量子力学的)な詳細を大規模シミュレーションによって明らかにすることに成功した。
高効率燃料電池の開発に繋がる基礎的な研究成果として研究者の注目を集めている。


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「超高圧下における(TMTTF)2SbF6の異常超伝導相の発見
-- 擬一次元有機導体の新規な相図の提案 --」

化学式 (TMTCF)2X で表される擬一次元有機導体群---C=Se(セレン)はTMTSF、C=S(硫黄)はTMTTFと呼ばれる有機分子、X=PF6, AsF6等は結晶中で負イオンとなる分子---は、温度や圧力の変化に伴って、超伝導や反強磁性などの多様な秩序状態を示すことから、これまで精力的な研究が進められてきた。青山学院大学、東京大学、琉球大学、および、分子科学研究所の研究者からなるグループは、超圧力下で(TMTTF)2SbF6の電気抵抗を測定し、これまで知られていた(TMTCF)2X群の特性とは異なる特性を伴う超伝導相を見出した。電子間相互作用と電子・格子間相互作用がもたらす強相関効果のさらなる多様性を示すものとして研究者の注目を集めている。


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