JPSJ注目論文

JPSJ 2010年7月号の注目論文

「強い共有結合を作るボロン(ホウ素)を多く含む準結晶の発見」

準結晶は、5回対称、10回対称などの幾何学的な制約により周期性と共存でき ない回転対称性と、準周期並進秩序を持つ。これまで多くの合金系で準結晶が 見つかっているが、ほとんどは、金属元素を主体とした金属間化合物である。
ボロン(ホウ素)は周期性と共存できない正20面体や正5角形クラスターを形成 しやすい性質を持つため、ボロン系の準結晶の存在が予想され長年探索が行わ れてきたが、これまで準結晶発見の報告は無かった。この研究では、ボロンを約4割含むB-Ti-Ru合金を液体急冷することにより、欠陥を多く含むものの正10角形準結晶として解釈できる構造を持つ物質が得られた。強い共有結合を作る軽元素の非金属元素を多く含む初めての準結晶である。
本研究の成果は、準結晶が非金属系を含めて様々な物質系で存在することを予 感させるものとして注目される。今後、応用につながるような準結晶の新しい 物性の発見が期待される。


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