JPSJ注目論文

JPSJ 2011年11月号の注目論文

「高純度結晶によって解き明かされるモンスターの正体」
-URu2Si2の「隠れた秩序」にせまる-

二次の相転移には秩序変数が存在し、殆どの場合それが何であるかはわかっている。常磁性―強磁性相転移では、それは磁化であり、常伝導―超伝導相転移では、電子対の位相である。所が、秩序変数が不明の相転移が存在する。ウランを含む化合物URu2Si2においては、比熱の測定から二次の相転移が起きていることは確かなのであるが、その秩序変数は不明である。発見から26年も経っており、色々な研究が行われているにもかかわらず転移の正体が不明なのは不思議としか言いようがない。研究のネックとなっていたのが、諸量の資料依存性が強いことであった。この研究では、URu2Si2の高純度の資料を制作し、資料の質と測定量の関係を地道に調べ、「隠れた秩序」の本質に迫ろうとしている。


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