JPSJ注目論文

JPSJ 2013年4月号の注目論文

有機分子で二次元ハニカム磁気格子を構築

 化学修飾による設計性を利用して、多次元的な磁気格子の形成が期待される新規有機ラジカル2-Cl-6-F-V [= 3-(2-chloro-6-fluorophenyl)-1,5-diphenylverdazyl]の合成及び単結晶育成に成功した。結晶内の分子配列を基に分子軌道計算を行った結果、ハニカム格子の形成が考えられた。さらに、磁気特性の測定結果に対して量子モンテカルロ法による定量的な解析を行った結果、強磁性及び反強磁性の2種類の相互作用から成るS = 1/2ハニカム格子モデルで説明することができた。

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原論文は以下よりご覧いただけます
Two-Dimensional Honeycomb Lattice Consisting of a New Organic Radical 2-Cl-6-F-V
Hironori Yamaguchi, Asano Toho, Kenji Iwase, Toshio Ono, Takashi Kawakami, Tokuro Shimokawa, Akira Matsuo, and Yuko Hosokoshi: J. Phys. Soc. Jpn. 82 (2013) 043713



エキゾチック近藤効果が生み出す新奇な電子秩序

 東北大学の物性理論グループはPrやU元素を含む化合物系を記述するモデルのひとつである2チャンネル近藤格子を解析し、低温で生じる秩序相が複合体という2体の物理量によって特徴づけられる奇妙な状態であることを明らかにした。また、一原子あたりln√2のエントロピーが秩序化により消失していることを示し、マヨラナ粒子が秩序化するという新しい物理的描像を提案した。この研究で理論的に見出された複合体秩序は四半世紀の謎であるURu2Si2における隠れた秩序と関連している可能性が指摘された。

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原論文は以下よりご覧いただけます
Resolution of Entropy √2 by Ordering in Two-Channel Kondo Lattice
Shintaro Hoshino, Junya Otsuki, and Yoshio Kuramoto: J. Phys. Soc. Jpn. 82 (2013) 044707