JPSJ注目論文

JPSJ 2014年6月号の注目論文

トポロジカル超伝導体の渦糸に現れるスピン偏極マヨラナ粒子

 マヨラナフェルミオンは自分自身が反粒子であり、ニュートリノがその候補として期待されているが現時点では実験的証拠はみつかっていない。この特異な粒子はトポロジカル超伝導体中において実現される。さらに、その渦糸に現れるマヨラナゼロモードは、量子計算等への応用が期待され注目を集めている。しかし、実験的に検出する事は難しい。著者らは、強いスピン軌道相互作用によって渦糸芯にスピン偏極したマヨラナゼロモードが現れることを理論的に明らかにした。これは、マヨラナフェルミオンを磁気的プローブによって検出できる可能性を示唆している。

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原論文は以下よりご覧いただけます
Spin-Polarized Majorana Bound States inside a Vortex Core in Topological Superconductors
Yuki Nagai, Hiroki Nakamura, and Masahiko Machida, J. Phys. Soc. Jpn. 83, 064703 (2014).



ノイズのカラー化よる液晶電気対流の制御

 液晶対流系を用いて非平衡散逸系における外部ノイズの効果を調べた。カラーノイズの外部特性時間と液晶系の内部特性時間(電荷緩和時間)との関係式が提案され、従来のホワイトノイズを考慮した理論では理解できなかった対流発生閾値のシフト現象や対流パターンの相図の違いが理解できるようになった。液晶系ではいくつかスケールの異なる内部特性時間が存在するが、カラーノイズの時間スケールとマッチングするものを探し出すことが重要である。本研究の成果はノイズによる制御・応用分野への適用が期待される。

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原論文は以下よりご覧いただけます
Colored Noise-Induced Threshold Shifts and Phase Diagrams in Electroconvections
Jong-Hoon Huh and Shoichi Kai, J. Phys. Soc. Jpn. 83, 063601 (2014).



異なる立体構造を持つ2種類の超固体相の間の相転移

 粒子の局在性と遍歴性が共存する超固体相が、三角格子上の強く相関したボゾン系において理論的に指摘され、近年超固体状態が注目を集めている。一方、冷却ボーズ原子を用いた実験においては純粋な2次元の三角格子を実現することは難しく、3次元性が超固体状態に対してどのような影響を与えるのか詳細に調べる必要がある。そこで、積層三角格子上の理論模型において、数値解析により超固体状態の安定性についての考察が行われた。その結果、2種類の超固体相が広いパラメタ領域において出現することを明らかになった。

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原論文は以下よりご覧いただけます
Supersolid States in a Hard-Core Bose–Hubbard Model on a Layered Triangular Lattice
Ryota Suzuki and Akihisa Koga, J. Phys. Soc. Jpn. 83, 064003 (2014).