JPSJ注目論文

JPSJ 2015年6月号の注目論文

金属絶縁体転移におけるドルーデの重みと波動関数の位相の役割

 物質の電気伝導性(導体か絶縁体か)を測る尺度としてドルーデの重みDは有用である。相互作用強度の変化で起こる金属絶縁体転移(モット転移)もDにより調べられるはずだが、多体変分法で通常の試行関数を用いると常に金属という結果となり、長く懸案の問題であった。解析の結果、波動関数に虚部が必要であることが判り、局所電子配置に依存した位相相関因子を導入することにより、Dを適正に計算することに成功した。また、一次摂動論で反強磁性状態のDを調べた結果、バンド絶縁体とモット絶縁体では、絶縁性の由来が定性的に違っていることが示された。

詳しい説明はこちらから

原論文は以下よりご覧いただけます
Drude and Superconducting Weights and Mott Transitions in Variation Theory
Shun Tamura and Hisatoshi Yokoyama, J. Phys. Soc. Jpn. 84, 064707 (2015).






Copyright © The Physical Society of Japan. All Rights Reserved.