JPSJ注目論文

JPSJ 2020年10月号の注目論文: 「事象の地平線」的ディラック粒子の作り方

近年、相対論的粒子であるディラック粒子が、固体のバンド構造の中に現れることに注目が集まっている。固体中のディラック粒子の特徴の1つは、分散の非等方性が許される点にある。極限的な状況では、特定の方向のエネルギー分散が完全に平坦となることがあり、これは第III種ディラック粒子と呼ばれる。当該論文では、第III種ディラック粒子を有する格子模型の系統的な構成法が提案された。ここで得られた格子模型は、今後の新奇物性開拓、あるいはメタマテリアルでの実現への基礎となることが期待される。

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原論文は以下からご覧いただけます。
Type-III Dirac Cones from Degenerate Directionally Flat Bands: Viewpoint from Molecular-Orbital Representation
Tomonari Mizoguchi and Yasuhiro Hatsugai, J. Phys. Soc. Jpn. 89, 103704 (2020).