JPSJ

Journal of the Physical Society of Japan (JPSJ)は、日本物理学会が刊行する月刊誌で、創刊以来、レベルの高い論文を出版してきました。各号は、Full Papers, Letters等のオリジナル論文から構成され、随時、Invited Review Papers, Special Topicsを掲載しています。最新の論文は、オンライン公開後、約1か月間無料でご覧いただけます。[> JPSJホームページ]

注目論文 (Papers of Editors' Choice)

  • 毎月の編集委員会では、注目論文(Papers of Editors' Choice)を選んでいます。その日本語による紹介文を日本物理学会誌とJPSJ注目論文に掲載しています。注目論文はオンライン公開後1年間無料で閲覧できます。関連した話題についての解説がJPSJホームページの「News and Comments」覧に掲載される場合もあります。

JPSJニュースレター

  • 年次・秋(春)季大会の開催にあわせてニュースレター(日本語)を発行しています。
    JPSJニュースレター最新号(No. 36) をウェブ公開しました。

    また、これまでに発行したニュースレターはこちらからご覧いただけます。

最新のJPSJ注目論文

魚は向きの揃った群れや渦状の回転する群れなど,多様な集団パターンを示す.魚を自己駆動する粒子とみなした様々なモデルによって,集団パターンの再現が試みられてきた.今回提案された魚群のモデルでは,各個体が相互作用できる個体数を制限するトポロジカル相互作用,および回避行動による群れへの回帰を表現する自律的な引力相互作用が取り入れられた.このモデルによって,球状,トーラス状,およびリング状の巨大な回転魚群の形成メカニズムが解明されるとともに,群れのサイズと個体数の間にべき乗則が成り立つことが示された.

詳しい説明はこちらから。

原論文は以下からご覧いただけます。
Emergence of a Giant Rotating Cluster of Fish in Three Dimensions by Local Interactions
Susumu Ito and Nariya Uchida
J. Phys. Soc. Jpn. 91, 064806 (2022).

シリコン結晶中のV10と呼ばれる原子空孔が作り出す電子構造が、第一原理計算で調べられた。空孔に隣接するシリコン原子が持っているダングリング・ボンド(余っている結合の手)の再混成によってバンド・ギャップ内に4つの電子状態が生じるが、これらギャップ状態について、「波動関数が節を持つものが節を持たないものよりエネルギーが低い」という意外な結果が得られた。これは、教科書によくある「波動関数の節が多いほど、運動エネルギーの分だけエネルギーが高い」という記述と、全く逆である。この特異な電子構造は、価電子帯および伝導帯に埋もれて存在している再結合状態がバンド・ギャップ内の電子状態と相互作用することによって生じるということが、詳しい解析により示される。原子構造のヤン・テラー不安定性が、一見奇妙なこの電子構造を反映すること、また今回の発見にはシリコン原子2000個程度に対する大規模な第一原理計算が不可欠であったことが、論じられる。

詳しい説明はこちらから。

原論文は以下からご覧いただけます。
Discovery of Peculiar Electronic Structures of Decavacancy V10 in Silicon Crystal
Daiki Kamihara, Taito Shimizu, and Kazuyuki Uchida
J. Phys. Soc. Jpn. 91, 064709 (2022).

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