日本物理学会誌

第60巻第9号

cover-05-09.jpg表紙から
278113核検出の崩壊チェーンと、 測定に用いられた理研の気体充填型反跳分離装置GARIS。 CNは 278113を示す。標記の反応(209Bi+70Zn→278113+n)によって合成された113番元素の同位体 278113が、4回のα崩壊をしたのち、最後に自発核分裂によって崩壊するのが捕らえられた。GARISは、電磁石の中が希薄な気体(ヘリウムを使用、 図中水色の領域)で満たしてあるのが特徴で、気体を満たすことによって格段に大きな収集効率を実現している。詳細は本号に掲載されている森田浩介氏の特集 記事を参照のこと。(理化学研究所 森田浩介氏提供)



巻頭言    
 
学協会による学術誌刊行の意義について--評価の文化の醸成に向けて-- 北原和夫 685

2005世界物理年によせて 世界物理年日本委員会春のイベント「物理・ひと・未来」
     北原和夫,並木雅俊 686


追 悼    

牧 二郎さんの若き日を偲んで 小林てつ郎 687

シリーズ「日本の物理学100年とこれから」

光量子と光物性--光学からフォトサイエンスへ-- 花村榮一 688

特集:超重元素の科学とその展望
 

元素の地平,原子核の地平 上坂友洋 697
新発見の113番元素 森田浩介 698
新元素の認定について 永目諭一郎,中原弘道 707
超重元素の化学的研究 篠原 厚,塚田和明,永目諭一郎 709
超重元素はどこまで存在するか--質量公式からみた重・超重核領域の
原子核崩壊-- 小浦寛之,橘 孝博 717
超重元素領域における融合反応 野村 亨,阿部恭久 725

最近の研究から
 

心筋興奮モデルにおけるスパイラルカオスとその抑制 坂口英継 733
単層カーボンナノチューブに閉じ込められた水の構造
                      真庭 豊,片浦弘道 736

談話室    
 

シュレディンガーの自伝とアインシュタインの接点 法橋 登 741
カーナビと相対性理論 中村卓史 741
I E Tamm賞を受賞したI M Dremin教授との素粒子多重発生の共同研究について
  -日本学術振興会「日本旧ソ連研究者交流事業」による支援- 美谷島實 743

新著紹介  744

ランダム行列の基礎:谷口伸彦
Classical Relativistic Electrodynamics; Theory of Light Emission and Application to
Free Electron Lasers:鎌田啓一
脳は物理学をいかに創るのか:保江邦夫
Astrophysics, Clocks and Fundamental Constants:藤井保憲

物理教育委員会だより  748


編集後記
上坂友洋