日本物理学会誌

第62巻第11号

cover-07-11.jpg表紙から
周波数変調方式非接触原子間力顕微鏡で測定したSi(111)-(7×7)表面の凹凸画像(左)と相互作用の2次元マッピング(右)。測定は超高真空・室 温で行われ,熱ドリフトによる探針と試料の位置のずれのためこのような測定は困難であった。ずれを完全に補正する技術を開発することでそれが可能になっ た。(図の提供は阿部真之氏(阪大工)による。詳細は本号に掲載されている阿部真之氏らによる実験技術記事を参照のこと。)


解 説    
  フェルミ・アーク--高温超伝導体の異常なフェルミ面 藤森 淳,吉田鉄平 815
  グラビティーノが拓く物理      浜口幸一 822

実験技術   
  原子分解能を有する原子間力顕微鏡法の新展開--原子種識別や原子操作を行うための新技術--
                          阿部真之,杉本宜昭,森田清三 829

最近の研究から
  コイン投げの力学 水口 毅 838
  高強度レーザー電場を用いたアト秒時間分解能での分子振動波束の測定と制御   新倉弘倫 842
  ホモダイン検波によるコヒーレント重ね合わせ状態の純粋化--量子もつれと測定を利用した量子
    状態制御の一例--   鈴木重成,武岡正裕,佐々木雅英,U. L.アンダーセン,神成文彦 846
  有機FET界面における伝導機構と磁性     丸本一弘,黒田新一 851

JPSJの最近の注目論文から Vol. 76 (2007) No. 8より   髙山 一 856

シリーズ「物理教育は今」
  理科の苦手な小学校教員への「理科支援員等配置事業」試行の成果と課題    大山光晴 858

シリーズ「"ポスドク" 問題」
  ポストドクターへのセーフティ・ネット   国立教育政策研究所キャリア発達研究会 863

歴史の小径  
  『量子物理学論文集』(1930年)と当時の時代背景    小澤健志 867

新著紹介  868
 シンクロトロン放射光; 澤   博 
 String Theory and M-Theory -A Modern Introduction-; 米 谷 民 明
 Dブレーン; 超弦理論の高次元物体が描く世界像; 鈴 木 久 男 
 A Modern Approach to Critical Phenomena; 小野田繁樹

編集後記  
 伊藤暢聡