日本物理学会誌

第66巻第02号

cover-11-02.jpg表紙から
骨格筋の構造は左上図に示すような階層性をもつ.骨格筋は直 径数十μmの筋線維の束からなり,筋線維は直径数μmの筋原線維の集合である.さらに筋原線維は,筋節(サルコメア)とよばれる基本的な単位構造が約2 μmの周期で線維軸方向に並んだ構造をもつ.筋節は太いミオシンフィラメント,それを取り囲む細いアクチンフィラメント,それからミオシンフィラメントを Z線と結びつけている巨大タンパク質タイチンからなる.光第2高調波発生(SHG)はミオシンフィラメントのコイル部分から生じる.右下の図は筋線維 (左)および筋原線維(右)のSHG像である.どちらの像もSHGを発生している明るい部分が線維軸方向に約2 μmの周期で並んでいて,これが筋節中のA帯であることを示している.詳細は本号に掲載されている上江洲由晃らの「解説」記事を参照のこと.



■口絵    
 
今月号の記事から  85

■巻頭言
・元気の出る物理学会
     倉本義夫 87

■解 説
・量子相転移と量子臨界の科学
      今田正俊 88
・天然物質の強靭性:硬・柔の組み合わせの妙-真珠層とクモの巣を例として
      奥村 剛 97
・光第2高調波顕微鏡で観る分域構造
      上江洲由晃,横田紘子 105

■物理学会事務局での40年(I)
      清田勇毅 113

■学会報告
・2010年秋季大会シンポジウムの報告
      領域委員会 128

■JPSJの最近の注目論文から Vol. 79 (2010) No. 11より
        川畑有郷 136 

 

■学界ニュース
・2010年度文化勲章:有馬朗人氏
      大塚孝治 140
・2010年度文化功労者:田中靖郎氏
      井上 一 140
・第14回久保亮五記念賞:羽田野直道氏
     
・第25回西宮湯川記念賞:小松英一郎氏
      須藤 靖 141

■歴史の小径
・久保亮五先生「基礎と応用」
        金子邦彦 142  

■追 悼
  ・追悼 吉川庄一先生
      伊藤公孝,伊藤早苗 144
 

■新著紹介小特集「学会誌の記事を広く楽しく読むために」[第13回] 145

■新著紹介 148
  ・宇宙の謎に挑むブレーンワールド : 今 村 洋 介 
                        〈東工大院理工〉
  ・ポストドクター問題--科学技術人材のキャリア形成と
             展望 : 堀 田 健 司 〈北大院理〉
                                                      

■編集後記  
 小川 了