日本物理学会誌

第68巻 第7号

cover-13-07.jpg■表紙の説明
建設中のDoubleChooz(ダブルショー)検出器の内部(Copyhight CEA,フランスCEA提供):原子炉ニュートリノ実験では,炉心で発生する反電子ニュートリノを離れた地点で検出することにより,ニュートリノ振動に関するパラメータを測定する.写真は,検出器の中心に2重のアクリルタンクがインストールされたところ.その内部は反電子ニュートリノを検出するためのガドリニウム含有液体シンチレータが満たされる.アクリルタンクの周囲には,浜松ホトニクス社製の超低放射線バックグラウンドの光電子増倍管が,シンチレーション光を観測するために設置されているが,マグネットシールドに覆われているため,光電面は見えない.同様のコンセプトの原子炉ニュートリノ実験であるDaya BayやRENOでも,このような構造の検出器が用いられている.詳細は本号に掲載されている川崎健夫氏らの「解説」記事を参照のこと.

■口絵
今月号の記事から 439

■巻頭言
男女共同参画推進の先に 嘉規香織 441

■解説
M2ブレーンとABJM模型 今村洋介 442
原子炉によるニュートリノ混合角 θ13の測定 川崎健夫,石塚正基,古田久敬,松原綱之 450

■最近の研究から
頑強な量子ゲート~複合量子ゲート~ 坂東将光,市川 翼,近藤 康,中原幹夫 459
ガラス転移とジャミング転移を分離する 池田昌司 464

■JPSJの最近の注目論文から
3月の編集委員会より 安藤恒也 468

■学会報告
第68回年次大会シンポジウムの報告 領域委員会 470

■シリーズ「物理教育は今」
Walter Lewin先生の公開授業―ネット配信される大学の授業― 峰 真如,木村 元 483

■学界ニュース
第103回恩賜賞・日本学士院賞:十倉好紀氏 永長直人 485

■ラ・トッカータ
パウル・キーンレ(Paul Kienle)教授の思い出 山崎敏光 485


■談話室
石油の可採/枯渇年数は減るべきなのか? 中村 聡 488

■追悼
吉森昭夫先生を偲んで 馬越健次 490

■新著紹介 491
入門 量子ダイナミクス(上);時間依存の量子力学を中心に:加納 英明
入門 量子ダイナミクス(下);時間依存の量子力学を中心に:加納 英明
磁性学入門:土浦 宏紀