日本物理学会誌

第68巻 第12号

cover-13-12.jpg■表紙の説明
紐の両端の繋ぎ方によって,様々な結び目図形が作り出される.結び目図形の研究は数学の大問題の一つであり,また,結び目のトポロジーは高分子化学やDNA,RNAの研究にもしばしば応用され,物理学と深い関わりを持っている.表紙の絵は「Rolfsenの表」と呼ばれ,交差数が小さな結び目図形を分類したものである.これらの結び目は,様々な多項式さらには結び目ホモロジーで区別,分類される.詳細は本号に掲載されている藤 博之氏の「解説」記事を参照のこと.

■口絵
今月号の記事から 791

■巻頭言
会費の使い道 野崎光昭 793

■解説
極紫外自由電子レーザー場における原子の非線形過程 伏谷瑞穂,彦坂泰正,菱川明栄 794
超弦理論と結び目ホモロジーの統一理論 藤 博之 801

■実験技術
不安定核構造を映す電子顕微鏡をつくる 若杉昌徳,大西哲哉,須田利美,栗田和好 810

■最近の研究から
実験室加速器物理 岡本宏己,伊藤清一,檜垣浩之 818
多種多様なRIビームのスピンを操る 市川雄一,上野秀樹 823

■JPSJの最近の注目論文から
8月の編集委員会より 安藤恒也 828

■談話室
成田倉庫の物理学会所蔵の文書について 岡本拓司 831
学生とマルチメディア入り電子書籍を作る 小方 厚 832

■新著紹介 834
金属-非金属転移の物理;小口多美夫
青の物理学;空色の謎をめぐる思索:平野 拓一
ヒッグス粒子を追え;宇宙誕生の謎に挑んだ天才物理学者たちの物語;多田 司
Niels Bohr and the Quantum Atom; The Bohr Model of Atomic Structure 1913-1925;今野 宏之