日本物理学会誌

第70巻 第2号

cover-15-02.jpg■表紙の説明  1922年12月24日,博多駅におけるアインシュタイン(Albert Einstein, 1879-1955).左端の男性は,アインシュタインの特殊相対論をいち早く日本に紹介したことで知られる桑木彧雄(1878-1945)である.1919年にイギリスの皆既日食観測隊が,アインシュタインの一般相対論の予測を実証すると,アインシュタインは世界で一躍有名になり,1920年代には各国を講演旅行することになる.日本には改造社の招聘により1922年11月17日から12月29日まで滞在した.東京,仙台,名古屋,京都,大阪等を経て福岡でも講演を行った.アインシュタインの来日中には桑木彧雄が数々の便宜を図ったこともあり,後にアインシュタインは,「日本の旅行は人生の最も愉快な記憶の一つである」と述べている.なお,この写真は桑木彧雄氏のご息女のご厚意により日本物理学会誌の表紙としてご提供いただいた.
(参考文献 桑木彧雄著,桑木 務,西尾成子増補:『アインシュタイン』 (サイエンス社,1979))


■巻頭言
ゲストとホスト 藤井保彦 ...... 77

■特集「発展し続ける一般相対論―時空論の起承転"望"―」
はじめに ...... 80
一般相対論の成立 岡村 浩 ...... 81
一般相対論ミニマム 須藤 靖 ...... 87
一般相対性理論の数理 小玉英雄 ...... 95
中性子星とブラックホール―相対論的天体物理学入門― 中村卓史 ...... 103
一般相対論的宇宙論 杉山 直 ...... 111
一般相対論の実験的検証と重力理論の拡張 田中貴浩 ...... 119
アインシュタインからの宿題:重力波の検出 川村静児 ...... 125
一般相対論と量子力学の統合に向けて 大栗博司 ...... 130
数値相対論の展開 柴田 大 ...... 134


■JPSJの最近の注目論文から
10月の編集委員会より 安藤恒也 ...... 140

■学会報告
2014年秋季大会 シンポジウムの報告 領域委員会 ...... 144

■新著紹介 ...... 150
国際誌エディターが教えるアクセプトされる論文の書きかた;﨏 隆志
クォーク・グルーオン・プラズマの物理;実験室で再現する宇宙の始まり;平野 哲文