Journal of the Physical Society of Japan (JPSJ)は、日本物理学会が刊行する月刊誌で、創刊以来、レベルの高い論文を出版してきました。各号は、Full Papers, Letters等のオリジナル論文から構成され、随時、Invited Review Papers, Special Topicsを掲載しています。最新の論文は、オンライン公開後、約1か月間無料でご覧いただけます。[> JPSJホームページ]
注目論文 (Papers of Editors' Choice)
- 毎月の編集委員会では、注目論文(Papers of Editors' Choice)を選んでいます。その日本語による紹介文を日本物理学会誌とJPSJ注目論文に掲載しています。注目論文はオンライン公開後1年間無料で閲覧できます。関連した話題についての解説がJPSJホームページの「News and Comments」覧に掲載される場合もあります。
JPSJニュースレター
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JPSJニュースレター最新号(No. 38) をウェブ公開しました。
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最新のJPSJ注目論文
CeMnSiは、CeとMnという、タイプが異なる2種類の磁性原子を含む。温度を下げると、まず室温付近でMnが反強磁性秩序を示し、系の時間反転対称性が破られる。これにより、結晶元来の空間反転対称性が破られる一方、時間と空間の複合操作である時空間反転対称性は保たれる。この特異な状況下で、Ceに由来した重い電子状態の可能性が指摘された。伝導電子が磁気秩序を起こした中での重い電子状態は、おそらく他に例が無い。時空間反転対称性に守られたスピン自由度が、この現象のカギを握る。
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原論文は以下からご覧いただけます。
Possible Heavy-Fermion State in PT-Symmetric Antiferromagnet CeMnSi
Hiroshi Tanida, Hiroto Matsuoka, Yukihiro Kawamura, and Keisuke Mitsumoto, J. Phys. Soc. Jpn. 92, 044703 (2023)
典型的な電気四極子秩序物質であるランタノイド化合物CeB6は、長年に渡る研究の末にOxy型の反強四極子構造を持つと信じられてきたが、ゼロ磁場下では異なる構造を持つ可能性が出てきた。最近、B原子核について核四重極共鳴法を極低周波で行うという挑戦的な試みが成功し、Oxy型反強四極子構造に期待されるスペクトル分裂が観測されなかった。このことから、いくつかの新たな秩序状態の可能性が提言された。
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原論文は以下からご覧いただけます。
Symmetry Analysis of Zero-Field Antiferroquadrupole Order in CeB6: Extremely Low-Frequency 11B-NQR Study
Takeshi Mito, Hiroki Mori, Keisuke Miyamoto, Taichi Tanaka, Yusuke Nakai, Koichi Ueda, Fumitoshi Iga, and Hisatomo Harima, J. Phys. Soc. Jpn. 92, 034702 (2023)