JPSJ

Journal of the Physical Society of Japan (JPSJ)は、日本物理学会が刊行する月刊誌で、創刊以来、レベルの高い論文を出版してきました。各号は、Full Papers, Letters等のオリジナル論文から構成され、随時、Invited Review Papers, Special Topicsを掲載しています。最新の論文は、オンライン公開後、約1か月間無料でご覧いただけます。[> JPSJホームページ]

注目論文 (Papers of Editors' Choice)

  • 毎月の編集委員会では、注目論文(Papers of Editors' Choice)を選んでいます。その日本語による紹介文を日本物理学会誌とJPSJ注目論文に掲載しています。注目論文はオンライン公開後1年間無料で閲覧できます。関連した話題についての解説がJPSJホームページの「News and Comments」覧に掲載される場合もあります。

JPSJニュースレター

  • 年次・秋(春)季大会の開催にあわせてニュースレター(日本語)を発行しています。
    JPSJニュースレター最新号(No. 39) をウェブ公開しました。

    また、これまでに発行したニュースレターはこちらからご覧いただけます。

最新のJPSJ注目論文

スピン量子数S = 1/2の一次元反強磁性体は、その基底状態や磁気励起状態に量子多対効果に起因した特徴的な現象が生じることが知られている。本研究では、Ising型の磁気異方性をもつS = 1/2一次元反強磁性体の良いモデル物質であるCsCoCl3について、50テスラを超すパルス強磁場下で電子スピン共鳴(ESR)測定を行ったところ、この系の磁場誘起による量子相転移に関係した磁気励起状態の興味深い振る舞いが観測された。

詳しい説明はこちらから。

原論文は以下からご覧いただけます。
Magnetic Excitation in the S = 1/2 Ising-like Antiferromagnetic Chain CsCoCl3 in Longitudinal Magnetic Fields Studied by High-field ESR Measurements
Shojiro Kimura, Hiroaki Onishi, Kouichi Okunishi, Mitsuru Akaki, Yasuo Narumi, Masayuki Hagiwara, Koichi Kindo, and Hikomitsu Kikuchi, J. Phys. Soc. Jpn. 92, 094701 (2023).

ダイヤモンド中の窒素空孔(NV)中心を用いた磁場・温度測定は代表的な量子計測(量子センシング)であり、物性物理計測への応用も始まっている。一方で、NV中心ならではの測定手法を確立するには、感度だけでなく正確さ(確度)の向上も重要である。NV中心の最も基本的な測定手法である光検出磁気共鳴(ODMR)では、ODMRスペクトルから磁気共鳴周波数を見積もることで磁場や温度を決定する。今回、ODMRスペクトルが励起光強度によって変化するという意外な現象に対して系統的な調査が行われた。得られた結果は、より確度の高い磁場測定への有用な指針を与えるものである。

詳しい説明はこちらから。

原論文は以下からご覧いただけます。
Optical-power-dependent Splitting of Magnetic Resonance in Nitrogen-vacancy Centers in Diamond
Shuji Ito, Moeta Tsukamoto, Kensuke Ogawa, Tokuyuki Teraji, Kento Sasaki, Kensuke Kobayashi, J. Phys. Soc. Jpn. 92, 084701 (2023).

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