Journal of the Physical Society of Japan (JPSJ)は、日本物理学会が刊行する月刊誌で、創刊以来、レベルの高い論文を出版してきました。各号は、Full Papers, Letters等のオリジナル論文から構成され、随時、Invited Review Papers, Special Topicsを掲載しています。最新の論文は、オンライン公開後、約1か月間無料でご覧いただけます。[> JPSJホームページ]
注目論文 (Papers of Editors' Choice)
- 毎月の編集委員会では、注目論文(Papers of Editors' Choice)を選んでいます。その日本語による紹介文を日本物理学会誌とJPSJ注目論文に掲載しています。注目論文はオンライン公開後1年間無料で閲覧できます。関連した話題についての解説がJPSJホームページの「News and Comments」覧に掲載される場合もあります。
JPSJニュースレター
- 年次・秋(春)季大会の開催にあわせてニュースレター(日本語)を発行しています。
JPSJニュースレター最新号(No. 37) をウェブ公開しました。
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最新のJPSJ注目論文
原子数層程度の厚みのPt単結晶超薄膜の作製が成功され、Pt超薄膜に強磁性が生じることが明らかにされた。加えて、実験と電子論に基づく理論計算の両観点より、その強磁性の起源が量子閉じ込め効果に起因することが明らかになった。この強磁性Ptに対し、SPring-8によるX線磁気円二色性測定により磁気特性が評価され、純Ptの軌道磁気モーメントがFeと同程度の極小さい値を示す可能性が示された。本結果は、電子構造に立脚したスピントロニクスの学理を構築する上で、重要な知見を与えるものと考えられる。
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原論文は以下からご覧いただけます。
Appearance of Ferromagnetism in Pt(100) Ultrathin Films Originated from Quantum-well State
Tatsuru Yamada, Keisuke Ochiai, Hirofumi Kinoshita, Shunsuke Sakuragi, Motohiro Suzuki, Hitoshi Osawa, Hiroyuki Kageshima, Tetsuya Sato, J. Phys. Soc. Jpn. 91, 124708 (2022).
本論文では、データ駆動型アプローチに基づき伝導度スペクトル(伝導度のエネルギー依存性)を推定する手法が提案されている。実験的に得られた電気伝導度とゼーベック係数の温度依存性から機械学習によって伝導度スペクトルと化学ポテンシャルの温度依存性が求められることや、得られた伝導度スペクトルから電子の寄与による熱伝導率や無次元性能指数ZTの上限を予測できることが示されている。本論文の成果により、大きな熱電輸送特性を示す物質における伝導度スペクトルを明らかにすることで、従来型の熱電理論との橋渡しになると期待される。
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Data-Driven Reconstruction of Spectral Conductivity and Chemical Potential Using Thermoelectric Transport Properties
Tomoki Hirosawa, Frank Schäfer, Hideaki Maebashi, Hiroyasu Matsuura, and Masao Ogata, J. Phys. Soc. Jpn. 91, 114603 (2022).