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【祝辞・解説を追加しました(10/6)】2021年ノーベル物理学賞は、 複雑系物理学分野における画期的な貢献に対して、「地球気候を物理的にモデル化し、変動を定量化して地球温暖化の高信頼予測を可能にした業績」により真鍋淑郎 氏(プリンストン大学、米)、Klaus Hasselmann 氏(マックスプランク研究所、独)、「原子スケールから天体スケールまでの物理系における無秩序と揺らぎの関連の発見」によりGiorgio Parisi 氏(ローマ・ラ・サピエンツァ大学、伊)の3氏が受賞することに決定。

公開日:2021年10月5日

祝 2021年ノーベル物理学賞受賞

 「地球気候を物理的にモデル化し、変動を定量化して地球温暖化の高信頼予測を可能にした業績」により、2021年ノーベル物理学賞を受賞された真鍋淑郎博士(米国プリンストン大学)とKlaus Hasselmann博士(独マックスプランク研究所)、「原子スケールから天体スケールまでの物理系の無秩序と揺らぎの関係の発見に関する業績」により、同賞を受賞されたGiorgio Parisi博士(伊ローマ・ラ・サピエンツァ大学)に、心よりお祝いを申し上げます。
 真鍋博士、Hasselmann博士のご業績は、物理学がいかに広い範囲をカバーする学問分野であるかを物語るものであり、物理的思考や方法論が、自然現象だけでなく、社会現象や人間の活動を含めた地球規模の環境の理解にも役立つものであることを、世の中に示されたと思います。地球温暖化が世の中でまだよく認識されていなかった半世紀以上も昔に、誰も取り組まなかった大気の変動問題に着手された先見性に、深く感銘を受けました。Parisi博士のご業績も、秩序や揺らぎといった「多数のものが集まったとき」に重要となる概念についての理論であり、我々の身の回りの様々な現象に応用できる普遍性があります。
 日本を含め世界中の若者が、今回の三博士の受賞に影響を受け、広い視野で物理学を学び、生物・化学・地球科学など他の多くの学問分野との境界領域に乗り出して、物理的手法を発展させ、新しい学問分野を築いていくことを祈っております。

日本物理学会 会長 田島節子

解説

各業績についての解説は以下よりご覧ください。

日比谷 紀之「地球気候を物理的にモデル化し、変動を定量化して地球温暖化の高信頼予測を可能にした業績」

大関 真之「原子スケールから天体スケールまでの物理系における無秩序と揺らぎの関連の発見」


日本物理学会誌に掲載された以下の記事もご覧ください。

高山 一「スピングラスの最近の理論」
1986年41巻3号 pp. 244-253

吉野 元「深層ニューラルネットワークの解剖――統計力学によるアプローチ」
2021年76巻9号 pp. 589-594

大関 真之「まずは根を張れ,実るのはその後からだ」
2013年68巻9号 pp.630-631