AAPPSとの連携

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AAPPS (Association of Asia Pacific Physical Societies, アジア太平洋物理学会連合)は、アジア太平洋諸国20カ国・地域の21学会が加盟している物理学に関する学会連合です。日本物理学会はAAPPSの会員学会として活動しています。

APCTP Colloquium 2022の開催について

AAPPSの紹介

AAPPSの概要

AAPPSは、アジア太平洋地域における物理学の振興を目的とした学協会連合として、1989年に設立されました。現在、アジア太平洋諸国20カ国・地域の21学協会が加盟しています。AAPPSは、研究、応用、教育を通じてアジア太平洋地域の物理学を振興し、国際的な協力を促進しています。主な活動としては、アジア太平洋物理学会議(Asia Pacific Physics Conference: APPC)の開催と、会報AAPPS Bulletinの出版があげられます。

AAPPSの体制と運営

AAPPSの執行部は、会長・副会長・幹事長・会計を含む10数名の理事からなります。理事は、メンバー学協会からの推薦をもとに、選ばれます。会長と副会長は、理事会の選挙によって理事の中から選出され、幹事長と会計は、会長の指名によって選ばれます。本会からも2名の会員が理事を務め、運営に貢献しています。

AAPPSの分科会

現在、下記の4つの分科会があり、それぞれ独自の学術会合を開催するなど、活発に活動しています。
プラズマ物理分科会(領域)(Division of Plasma Physics: DPP)
宇宙物理分科会(領域)(Division of Astrophysics, Cosmology, and Gravitation: DACG)
原子核物理分科会(領域)(Division of Nuclear Physics: DNP)
物性分科会(領域)(Division of Condensed Matter Physics: DCMP)

アジア太平洋物理学会議(Asia Pacific Physics Conference: APPC)

APPCは、アジア・西太平洋地域諸国の物理学者を中心に、物理学上の最近の進歩について討論し、かつ同地域諸国の物理学会および物理学研究者の交流を図り、さらにこの地域の各国における固有の、もしくは共通の物理学研究の発展に関わる問題、科学教育等の問題についての認識と解決への協力を目的とした国際会議です。第1回会議(I APPC, 1983)は、1983年6月にシンガポールで開催されました。日本物理学会は、シンガポール物理学会、南東アジア理論物理学協会、トリエステ国際理論物理学センターと協力し、運営を主導しました。1989年のAAPPS発足にともない、第4回会議(IV APPC, 1990)以降はAAPPS 主催となり、3年に1度開催されています。日本では、2013年に第12回会議(APPC12, 2013)が開催されました。

AAPPS Bulletin

AAPPSの会報であるAAPPS Bulletinは、1991年6月に出版が始まりました。現在は、日本・中国・台湾・韓国の物理学会からの拠出金に加え、韓国の浦項市にあるアジア太平洋理論物理学センター(APCTP)の支援により、AAPPS Bulletinは独自のオフィスとスタッフを持って運営されています。隔月刊、フリーアクセスジャーナルです。

AAPPS-JPS Award

AAPPS-JPS Awardは、アジア地域の物理学振興のため、AAPPSと日本物理学会が共同で、卓越した研究成果を挙げている若手研究者の功績をたたえるために制定されました。
本賞の受賞対象者は、顕著な学術業績がある学位取得後10年以内の本会の会員でかつ、その年のC. N. Yang Awardに推薦された研究者です。
ただし、C. N. Yang Award受賞者は対象外としています。
受賞者は日本物理学会・年次大会で表彰され、賞状等の記念品、授賞式後1年以内の大会での受賞記念講演の他、副賞として、受賞後の直近3大会の大会参加費と概要アクセス権が与えられます。

C.N. Yang Award

C.N. Yang賞は、AAPPSの初代会長となったノーベル物理学賞学者である Chen Ning Yang 氏の名を冠した賞で、1997年から始められました。アジア太平洋地域における物理学分野のリーダー育成と、優れた研究業績を挙げた若手研究者の顕彰を目的に設立されました。現在AAPPSおよびAPCTPが任命する選考委員会が、ノミネートの中から、貢献の質と意義、貢献に示された創造性を総合的に勘案して、受賞者を毎年決定します。受賞者には1,000 USドルの賞金と賞状が授与されます。

Women in Physics

Women in Physicsは、物理学における女性の割合が著しく低い状況を改善し、物理学への平等な参加を達成するための戦略を開発することを目的とし、2002年に第1回国際会議がフランス・パリにて開催されました。2005年には、アジア太平洋地域内で国際的なネットワークを構築することを目的として、Asian Women in Physicsの第1回ワークショップが韓国の浦項市で開催されました。このワークショップが発端となり、AAPPS Working Group on Women in Physicsの設立決議が第16回AAPPS理事会に提案され、提案決議への賛同を得て、AAPPS Working Group on Women in Physicsが設立されました。以後、AAPPS Working Group on Women in Physicsは、会議の開催や地域ネットワークの強化など、多くの活動を行っています。