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113番元素命名権が日本の研究チーム(理研)に与えられる。元素命名はアジア地域で初めて。

2016年1月4日

一般社団法人日本物理学会

113番元素命名権決定について

2015年12月31日、国際純正・応用化学連合(IUPAC)は、113番元素から118番元素までの元素命名権に関する発表を行い、このうち113番元素の命名権をその発見者である、理化学研究所の森田浩介博士(現、九州大学教授)および共同研究者に付与することが決まりました。日本の研究チームに元素の命名権が与えられることは日本の科学史上初めてのことであり、またアジア地域においても初の快挙です。日本物理学会は、本研究チームの過去10年以上におよぶご努力と日本の科学史上に残るご快挙に対し、心より敬意と祝意を表します。



 113番元素の合成と発見は、物理学的手法を用いて達成されています。研究チームは、113個の陽子をもった放射性同位体を、核融合反応を用いて人工的に合成・分離しました。合成された同位体の崩壊事象を観測し、同位体の原子番号および質量数をそれぞれ113、278と決定しています。この研究成果は、仁科芳雄博士の第一号サイクロトロン建設から数えて約80年後にもたらされたものです。その間、連綿として発展してきた日本の原子核物理学分野の偉業として称賛されるべき成果であり、日本の加速器技術および同位体生成分離技術が世界的にトップレベルであることも示しています。研究チームの実験結果は日本物理学会が刊行する学術雑誌Journal of the Physical Society of Japan (J. Phys. Soc. Jpn.) に出版されており、以下の論文が命名権決定の対象論文となっています。オープンアクセスです。
 なお、具体的な新元素の名称や元素記号については研究チームからの提案をうけIUPAC内のプロセスを経て決定されます。



1. Experiment on the Synthesis of Element 113 in the Reaction 209Bi(70Zn,n)278113,
K. Morita et al., J. Phys. Soc. Jpn., 73, 2593-2596 (2004), doi: 10.1143/JPSJ.73.2593

2. Observation of Second Decay Chain from 278113
K. Morita et al., J. Phys. Soc. Jpn., 76, 045001 (2007) [2 pages], doi: 10.1143/JPSJ.76.045001

3. Decay Properties of 266Bh and 262Db Produced in the 248Cm + 23Na Reaction
K. Morita et al., J. Phys. Soc. Jpn., 78, 064201 (2009), doi: 10.1143/JPSJ.78.064201

4. New Result in the Production and Decay of an Isotope, 278113, of the 113th Element
K. Morita et al., J. Phys. Soc. Jpn., 81, 103201 (2012) [4 pages], doi: 10.1143/JPSJ.81.103201