行動規範

「日本物理学会行動規範」

2007年7月10日制定

前文) 日本物理学会会員は、物理学上の真理探究を通して、自然認識を深め文化を豊かにするとともに、人類の福祉に資する科学技術の発展に寄与する。この活動に際して、法令を遵守し、社会における使命と責任を自覚する。そのための行動規範を定める。

(責任)

日本物理学会会員(以下会員と略す)は、物理学の進歩・普及に寄与することを目指す。物理学の研究が社会からの信頼と付託の上に成立していることを自覚し、常に高い倫理意識のもとに誠実に行動する。

(公開と説明)

会員は、自らが携わる研究の意義、役割ならびに成果を客観性をもって公表する。この際、先行研究との関係を明示し、誤解を招きやすい表現を避ける。また、研究が社会や環境に及ぼす影響に留意し、社会と建設的な対話を行うように努力する。

(研究活動)

会員は、実験データ等、研究に関する情報を適切に記録し保存する。研究成果の、ねつ造、改ざん、盗用、二重投稿などの不正行為を為さず、また、前人の貢献を誠実に評価して研究成果の公表に際して適切に明示する。

(共同研究)

会員は、共同研究者や研究協力者の人格、人権を尊重する。また、共同研究においては必要な情報を互いに交換しながら研究を進め、研究成果には連帯して責任を持つ。

(研究環境の整備)

会員は、公正で透明性の高い研究環境の確立と維持を自らの重要な責務と自覚し、研究活動の基盤となる環境の質的向上に積極的に取り組む。

(他者との関係)

会員は、他者の知的成果などの業績を正当に評価し、一方批判すべきは 理由を明確にしつつ批判する。また自らの研究に対する批判には謙虚に 耳を傾け、誠実に対応する。

(人材育成、教育活動)

会員は、物理学の発展に資する人材の育成に努力する。 さらに、社会における物理学・理科の理解を高めるように積極的な活動を心がける。

(差別の排除)

会員は、研究・教育・学会等の活動において理性に基づく公平性を基礎におき、人種、性、地位、思想、宗教などによって個人を差別せず、自由と人格を尊重する。

(利益相反)

会員は、自らが行う研究、審査、評価、判断などにおいて、個人と組織、あるいは異なる組織間の利害関係に十分注意を払い、公共性に配慮しつつ適切に対応する。



第33回臨時総会の決議3について

  日本物理学会は、1967年9月、半導体国際会議への米軍資金導入に関して開かれた第33回臨時総会において、「日本物理学会は今後内外を問わず、一切の軍隊から援助、その他一切の協力関係をもたない」という決議(決議3)を採択しました。
  本会会員はこの決議を尊重されるようお願いします。なお、決議3の具体的取り扱いについては、第522回委員会議(1995.7.8)で下記のように決定されました。従来の方針および委員会議決定の背景については、 会誌50巻(1995)9号696ページおよび765ページをご参照下さい。


決議3の具体的取り扱い

1.会誌およびJPSJ等、学会の刊行する出版物に対する投稿、および学会発表は、その研究内容が明白な
    軍事研究であると判断される場合を除き自由とする。

2.学会が共催、協賛、後援する諸団体、学協会の会合および各国との国際協力については、主催組織が
    軍関係団体である場合には協力を断る。

3.学会の会計で凍結されている米軍資金については、今後の検討課題とする。

注:明白な軍事研究、および軍関係団体の範囲については、理事会の判断事項とし、拒否例が出た場合には代議員に報告する。この判断基準は国際常識に従い、研究費の出所のみで判断することはしない。