日本物理学会誌

第57巻第3号

cover0203.jpg表紙から
昨年創立30周年を迎えた大阪大学核物理研究センターの実験室。 リングサイクロトロンで加速される核子あたり100-400MeVの陽子、軽イオンビームは写真下方に示されるビームダクトを通して原子核標的を設置する散乱槽(写真中央)に導かれる。散乱された粒子は、高分解能磁気分析装置「GRAND RAIDEN」(写真左方)で検出される。この装置を用いて、 陽子エネルギー1.1 GeVまでの反応粒子をエネルギー分解能0.005%の精度で測定することができる。さらに右手には大口径磁気分析装置「LAS」が設置してあり、二粒子相関測定を行うことができる。イラストは、2000年3月に完成した高分解能ビームライン(エネルギー分解能1/20000)の構成を示す。詳細は本号 畑中吉治氏、藤原守氏の解説参照。 (写真:大阪大学核物理研究センター 畑中吉治氏、イラスト:同センター 若狭智嗣氏提供)



巻頭言
秋光 純: 読んでもらえる会誌に
歴史の径(こみち)
勝木 渥:本多光太郎が「鉄の神様」になりえた一つの理由
特別
丸山瑛一: ポスドク・任期制・時限プロジェクト-日本型共同研究スタイルの提言
兵頭俊夫: 新学習指導要領の問題点
日本物理学会京都支部: 教育課程改定に関するアピール
解説
畑中吉治、藤原 守: 軽イオンビームによる核物理の展開-大阪大学核物理研究センター・リングサイクロトロンの成果-
中畑雅行、鈴木洋一郎: 太陽ニュートリノの物理
実験技術
松島房和、小田島仁司、常川省三、高木光司郎: 波長可変遠赤外光源による高分解能分子分光
最近の研究から
中原幹夫、大見哲巨: アルカリ原子のBECにおける渦糸の生成
佐藤憲昭、阿曽尚文、三宅和正:反強磁性は超伝導を誘起できるか?-UPd2Al3における磁気励起子媒介超伝導-
学界ニュース
勝又紘一: 第18回井上学術賞;宮下精二氏
北澤宏一: 2001年度朝日賞;1)秋光 純氏
前川禎通: 2001年度朝日賞;2)十倉好紀氏
青木秀夫: 上村 洸氏がイギリス物理学会名誉会員に
談話室
飽本一裕: 最近のエネルギー動向と個人的なエネルギー対策
法橋 登: サラムの物理とイスラムの原理
新著紹介
藤坂博一: R.Badii・A.Politi著、相澤洋二監訳、龍野正実・時田恵一・橋本 敬・泰 造起訳: 複雑さの数理
柴田文明: J.Voit: Statistical Mechanics of Financial Markets
後藤邦夫: J.Mehra and H.Rechenberg: The Historical Development of Quantum Mechanics, Vol.6; The Completion of Quantum Mechanics 1926-1941
葛西真寿: E.F.Taylor and J.A.Wheeler: Exploring Black Holes; Introduction of General Relativity
会員の声
■ワークシェアリング
編集後記
諏訪牧子