日本物理学会誌

第58巻第1号

cover0301.jpg表紙から

月探査機SELENEの打ち上げから月観測軌道投入までの飛翔計画。SELENEは種子島宇宙センターから打ち上げられた後、ただちに月へ向かう軌道に投 入される.途中2回の軌道修正を行って、約5日間で地球から38万km離れた月の楕円軌道に到達する。その後遠月点を下げる軌道変更を繰り返し、最終的に 高度100kmの極周回の観測軌道に到達する。途中楕円軌道の段階で2機の副衛星を切り離す。SELENE計画では3機の衛星を駆使して月の遠隔探査を行 い月の起源と進化の解明に挑む。詳細は本号交流欄記事参照。(宇宙開発事業団提供)



巻頭言
北原和夫: 世界に目を向けよう!
交流
佐々木進、SELENEプロジェクトチーム: 月起源の解明に挑む-SELENE計画-
解説
加藤隆子: 非平衡原子過程とプラズマ分光
江馬一弘、近藤高志、田中健一郎: 無機有機複合型量子井戸構造の励起子
最近の研究から
上羽 弘、米田忠弘、川合真紀: 非弾性トンネル電流に誘起された金属表面吸着分子の運動
吉村一良、酒井宏典、神戸振作: フラストレーション系パイロクロア化合物Cd2Re2O7における超伝導
湯浅新治、長浜太郎、鈴木義茂、田村英一: 磁気トンネル接合のTMR効果と共鳴トンネル効果
学界ニュース
江沢 洋: 外村彰さん、文化功労者に
梶田隆章: 平成14年度文化功労者;戸塚洋二氏
高山 一: 第6回(2002年度)久保亮五記念賞;川島直輝氏
三浦 登: 2002年度サー・マーティン・ウッド賞;寺崎一郎氏
鹿野田一司: 第16回日本IBM科学賞;前野悦輝氏
談話室
一丸節夫: 観測に基づく宇宙論
目片 守: カゴメ物語
歴史の径(こみち)
永平幸雄: 歴史に埋もれた物理実験-光の再合成器-
新著紹介
高部英明: D.Batani, C.J.Joachain, S.Martellucci and A.N.Chester: Atoms, Solids, and Plasma in Super-Intense Laser Fields
山崎義弘: 日本生物物理学会シリーズ・ニューバイオフィジックス刊行委員会編: 複雑系のバイオフィジックス
能勢修一: W.G.Hoover著,志田晃一郎訳: 時間の矢、コンピュータシミュレーション、カオス; なぜ世界は時間可逆ではないのか?
古沢 浩: C.Holm, P.Kekicheff and R.Podgornik, ed.: Electrostatic Effects in Soft Matter and Biophysics
編集後記
松田祐司