日本物理学会誌

第62巻第1号

cover-07-01.jpg表紙から
MSチャネルMscLと細胞膜との相互作用。(A) MscLの膜貫通部位にあるアミノ酸のうち、空間充填モデル(赤)で示してあるものが膜の張力を感じている。一般に、膜蛋白質は膜の表面近くでは負の圧力(張力)を、中心部では正の圧力を受ける(矢印)。 (B) MscLが開くときの構造変化のモデル。 TM1のみを示してある。 hydrophobic lockを青の矢印で、 膜の負の力を受け取るアミノ酸を赤で示してある。(図は吉村建二郎氏提供。詳細は本号に掲載されている吉村建二郎氏他の解説記事を参照のこと。)


巻頭言    
  21世紀の科学へ 坂東昌子 1

解 説    
  スピンホール効果とスピントロニクス 村上修一 2
   細胞メカノセンサーの実体と機能 吉村建二郎,野村 健,曽我部正博 9
  量子乱流研究の最近の発展 坪田 誠,小林未知数 15
  宇宙再電離研究の最近の進展 戸谷友則 23

最近の研究から
  原始ブラックホールの形成と成長 原田知広 30
  実験室で探る天体光核反応とその周辺 宇都宮弘章 34
  プロファイル比較に基づくタンパク質立体構造類似性検索技術と
  その立体構造予測への期待 富井健太郎 39

話 題    
  地球電離圏下部E領域における電子温度とその異常現象 小山孝一郎 43

シリーズ「"ポスドク" 問題」
  シリーズ「"ポスドク" 問題」をはじめるにあたって学会員に訴える--知的人材,特に若い
   人材を有効に役立て,科学技術の豊かな発展のために-- ポスドク問題検討準備委員会 47
  物理人材の危機--若い知的人材を科学技術の豊かな発展のために-- ポスドク問題検討準備委員会 48

学界ニュース 
  第21回(2006年度)西宮湯川記念賞; 肥山詠美子氏 上村正康 52

談話室     スーパーカミオカンデの全面復旧と10周年 竹内康雄 52

JPSJの最近の注目論文から Vol. 75 (2006) No. 10より 斯波弘行 54

追 悼    
  金属低温照射と転位論の第一人者J. S. Koehler教授を偲んで
            Ralph. O. Simmons, Frederick Seitz, Andrew V. Granato, 堂山昌男 56

新著紹介  57
  磁性物理学: 柳 瀬 陽 一
  すぐできる量子化学計算 ビギナーズマニュアル: 吉 本 芳 英 
  プラズマ・核融合学会編 プラズマ診断の基礎と応用: 安 藤  晃
   

編集後記  
   千葉順成