2016年2月アーカイブ

本年2月20日に開催された第594回理事会において​第21 回論文賞の授賞論文(5編)が決まりました。
第21回授賞論文(2016)ページから授賞論文の詳細をご覧いただけます。

2016年2月17日の日本時間17:45,日本の宇宙X線衛星として6機目になる,JAXA(宇宙航空研究開発機構)の ASTRO-H 衛星 が,HIIAロケット30号機で打ち上げられました。同衛星は,JAXA宇宙科学研究所の高橋忠幸教授をリーダーに,30を越す国内の大学・研究機関や,多数の国内企業,また8ヶ国の国際協力を得て,10年近い年月をかけ開発されたもので,無事に軌道に乗ったのち「ひとみ」と命名されました。これは同衛星が,熱い宇宙を見る瞳であることに加え,ひとみは画竜点睛の故事に言う「睛」でもあり,同衛星が宇宙を知る核心になって欲しいとの意味からです。

「ひとみ」は2種類のX線望遠鏡と4種類のX線・軟ガンマ線検出器を搭載し,それらの協力で 0.3〜600 keVという広いエネルギー帯域を同時にカバーします。中でも軟X線分光検出器は,極低温を用いて従来より1桁以上も高いエネルギー分解能を実現する画期的な装置です。今後「ひとみ」は先代の「すざく」の後を継いで,銀河団,様々なブラックホール,超新星残骸,各種の中性子星,白色わい星,フレア星,銀河中心などを,おもに国際公募により観測する予定です。

理化学研究所グローバル研究クラスタ 牧島一夫

本シンポジウムは満席のため申込受付を終了いたしました。
多数のお申込みありがとうございました。

第6回物理教育シンポジウムを下記のとおり開催いたします。 参加ご希望の方は、下記申込方法をご参照の上、電子メールにてお申込みください。 (チラシPDFはこちら

テーマ:「アクティブラーニングをどう活かすか」

日時:2016年3月27日(日) 13:00~16:40

場所:東京大学本郷キャンパス 小柴ホール

対象:物理教育に携わる方、物理教育に関心がある方

参加費:無料

定員:170名(申込先着順)

趣旨:昨今アクティブラーニングが広く教育のキーワードになっているが、そのとらえられ方は千差万別である。学習者の話し合い、実験や調べ学習等の活動重視のこともあれば、そういった「活動主義」への批判もある。海外で開発された手法とそれを支える理念に学ぶところも大きい一方で、これまで日本で行われてきた授業の中にも、相互作用的関与を通じて学習者の学びを高める取り組みがある。今回のシンポジウムでは、高校から大学初年時の教育を念頭に、基本的な物理概念の獲得などの目的のために、どのようにすればアクティブラーニングを活かすことができるのか、優れた実践を知ることで考えたい。

プログラム:次のURLに掲載しているチラシ(PDF)でご確認ください。 
http://www.jps.or.jp/committee/kyoiku/sympo.php

申込方法:  1.氏名(ふりがな)、 2.年齢、3.所属(勤務先・在学校名など)、 4.連絡先メールアドレス 、5.本シンポジウムを何で知ったかを明記の上、物理教育シンポジウム係【kouza@jps.or.jp】まで電子メールでお申込みください。


※お預かりした個人情報は物理教育シンポジウム運営にのみ使用します。

問合せ先:日本物理学会事務局 物理教育シンポジウム係 電子メールkouza@jps.or.jp

電話03-3816-6201 FAX03-3816-6208

主催:日本物理学会物理教育委員会
共催:日本物理教育学会
後援:東京都教育委員会、千葉県教育委員会、埼玉県教育委員会、神奈川県教育委員会

ニュースでも報じられたように,アインシュタインが100年前に予言した重力波が観測され,Physical Review Lettersに発表されました。重力波は非常に微弱なため,これまで直接的には観測はできませんでした。今回,レーザー波の干渉を用いた観測機器の精度を上げ,13億光年のかなたで起こったブラックホールの合体による重力波を,アメリカを中心とした研究グループが観測しました。日本でもKAGRAという実験施設で,重力波の観測に向けて準備が整いつつあります。

 より詳しく知りたい方は,以下をお読みください。また,日本物理学会誌では,本発見に関する記事を,最近のトピックスとして掲載する予定です。

より詳しい解説(京都大学理学研究科 中村卓史):

aLIGO(Advanced Laser Interferometer Gravitational wave Observatory)による重力波の初の直接検出。
 2015年9月14日に,本格的なO1(Operation 1)に入る前のエンジニアリングrun中に質量が
36+5-4Msunと29+4-4Msunからなる連星ブラックホール(BH)の合体時の重力波をSNR=24で検出する事に成功したと発表した。合体後のBHの質量は62+4-4Msunで,BHのspinパラメターは0.7程度と見積もられている。詳細は
1) http://journals.aps.org/prl/abstract/10.1103/PhysRevLett.116.061102
2) http://iopscience.iop.org/article/10.3847/2041-8205/818/2/L22 に詳しい。特に後者では"then recently predicted BBH total masses agree astonishingly well with GW150914 and can have sufficiently long merger times to occur in the nearby universe (Kinugawa et al. 2014)"と述べられおり,宇宙で最初に出来た金属のない種族III星起源の可能性が指摘されている。一つの注意点としては前者のFig.1の一番上の波形は生データではなく本文とfigure captionにあるような方法で処理して得られたものである。

APPS Bulletinは、Association of Asia Pacific Physical Societies が隔月に出版する会報です。

AAPPS BulletinのHPは http://aappsbulletin.org/

AAPPS Bulletinの2月号(Vol.26. No.1)のPDF版は

http://aappsbulletin.org/myboard/down.php?Board=webzine&filename=Vol26_No1_2016(FEB).pdf&id=270&fidx=2

よりダウンロード頂けます。

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