2003年5月アーカイブ

第58巻第5号

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cover0305.jpg表紙から
スーパーカミオカンデで観測された電子ニュートリノ事象(左上)とミューニュートリノ事象(左下。色はチェレンコフ光の50インチ光電子増倍管までの到達 時間を示し、赤から緑の間に40ナノ秒程度経過している。電子ニュートリノ反応で生成された電子(e)は水中で電磁シャワーとなり、チェレンコフ光リング の形はぼやけたものになる。一方、ミューニュートリノ反応で生成されたミューオン( μ)は水中でエネルギーを失いながら進むため、チェレンコフ光リングの形は外側がくっきりしている。なお,粒子の進行方向はチェレンコフ光の発生点から求 め、粒子エネルギーは観測された全光量から求められる。右上の図は、スーパーカミオカンデ測定器の見取り図。直径39m、高さ42mのステンレス製の水槽 中に50,000トンの純水が蓄えられている。水槽内部は内水槽と外水槽に分かれ、外水槽は約1,900本の光電子増倍管によって外から入射する粒子や、 内部から外に突き抜けていく粒子の同定に用いられる。内水槽に取り付けられた約11,000本の光電子増倍管は内部で発生したニュートリノ事象の観測に用 いられる。右下の図は、タウニュートリノのモンテカルロシミュレーション事象の例。ミューニュートリノからタウニュートリノへの振動であれば,このような 事象が今までのスーパーカミオカンデの観測期間で100例ほどあるはずである.背景の写真は測定器内部を魚眼レンズで撮ったものである。(東京大学宇宙線 研究所 梶田隆章氏および神岡宇宙素粒子研究施設提供)



特集:ニュートリノの物理――小柴昌俊氏のノーベル物理学賞受賞を記念して――
小柴昌俊:はじめに 
戸塚洋二:ニュートリノによる素粒子物理――過去現在将来――  
柳田 勉:ニュートリノの質量と素粒子論 
梶田隆章:大気ニュートリノ振動の発見 
西川公一郎:KEK-神岡間長基線ニュートリノ振動実験K2Kと次期計画 
中畑雅行,鈴木洋一郎:太陽ニュートリノ観測の現状と将来 
鈴木厚人:KamLANDの最初の成果――原子炉反電子ニュートリノ消失現象の検出――  
安田 修:ニュートリノ振動の現象論 
村山 斉:ニュートリノとフレーバーの起源 
萩原 薫:用語解説
学界ニュース
IUPAPの新しい役員と委員
追 悼
合原一幸:松本 元先生の思い出:イカと光と愛で迫った脳研究
新著紹介
安田 修: R.Foot: Shadowlands; Quest for Mirror Matter in the Universe
吉岡大二郎: T.L.Chow著, 鈴木増雄,香取眞理,羽田野直道,野々村禎彦訳: 科学技術者のための数学ハンドブック
白石 清: M.Blagojevic: Gravitation and Gauge Symmetries
有田亮太郎: 夏目雄平, 小川健吾: 計算物理I、夏目雄平, 植田 毅: 計算物理II、         夏目雄平, 小川健吾, 鈴木敏彦: 計算物理III
編集後記
萩原 薫

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