■表紙の説明
細胞性粘菌はアクチン重合でその形を変化させ，かつ，ゲルなどの培地との間に接着斑を形成して這いまわる．アクティブマターとして盛んに研究されており，最近では培地に及ぼす力の時空間精密測定が可能になっている．写真は栄養を十分含んだ溶液中でアクリルアミドゲルにサブミクロンサイズの蛍光ビーズを一様に分布させ，その上を細胞が動いたときのビーズの変位から力の大きさと方向を推定した6秒毎のスナップショットである．時間は左上から右下へ経過．粘菌の横幅は約10マイクロメートル．（東京大学大学院理学系研究科 佐野雅己教授 提供の図に文字，スケールバーなどの消去を行い掲載．） 詳細は本号に掲載されている太田隆夫氏の「解説」記事を参照のこと．
■巻頭言
新たなステージに向かう男女共同参画活動 森 初果 ...... 335
■現代物理のキーワード
見えないクォーク・グルーオンを見る 福嶋健二 ...... 338
■交 流
宇宙環境と地球の気候―太陽圏システムの物理学 宮原ひろ子 ...... 340
■解 説
アクティブマターの非線形ダイナミクス 太田隆夫 ...... 347
■最近の研究から
ドープしたトポロジカル絶縁体における超伝導とマヨラナ粒子 山影 相，矢田圭司，佐藤昌利，田仲由喜夫 ...... 356
超流動，ボース・アインシュタイン凝縮，密度ゆらぎ 加藤雄介，渡部昌平 ...... 362
熱的な量子純粋状態を用いた統計力学の定式化 杉浦 祥，清水 明 ...... 368
■JPSJの最近の注目論文から
1月の編集委員会より 安藤恒也 ...... 374
■ラ・トッカータ
ユーリッヒ滞在記 小林秀樹 ...... 376
■第44回天文・天体物理若手夏の学校開催報告 千秋 元 ...... 378
■第59回物性若手夏の学校開催報告 吉田賢典，西口大貴 ...... 380
■2014年度原子核三者若手夏の学校活動報告 宮本貴也，加藤洋崇，小林良彦，臼井純哉 ...... 382
■第54回生物物理若手の会夏の学校報告 山田大智 ...... 386
■追 悼
追悼：永野元彦氏 手嶋政廣 ...... 388
■新著紹介 ...... 389
クォーク・ハドロン物理学入門；真空の南部理論を基礎として；保坂 淳
Magnetism and Magnetic Materials；合田義弘
