2015年11月アーカイブ

第70巻 第11号

cover-15-11.jpg■表紙の説明 
素粒子・宇宙線物理学で知られる水チェレンコフ検出器:スーパーカミオカンデは,岐阜県飛騨市神岡鉱山内の地下1,000 mに位置し,直径39.2 m,高さ41.4 mの円筒形巨大水槽に5万トンの超純水で満たされ,水槽内壁には,直径50 cmの半球状光電面を持つ世界最大径の光電子増倍管R3600が11,200本配置されている.写真は,超純水注入前に,水槽床面と側面に配置されたR3600を撮影したものである.全体的に黄金色に見えるのは,チェレンコフ光を光電子に変換する光電面の色である(超純水注入後では,水の影響で全体的に青っぽく見える).この実験の成果は2015年度のノーベル物理学賞の対象となった.現在,更なる高感度化を狙ったハイパーカミオカンデ(100万トン級の巨大水槽と,その内壁に50 cmの半球状光電面を持つ光電子増倍管99,000本を配置予定)が計画されており,素粒子の統一理論や宇宙の進化史の解明が期待されている.詳細は本号に掲載されている大村孝幸氏らの「実験技術」記事を参照のこと.

■巻頭言
物理教育委員長として:物理学分野の参照基準(案)と委員会の活動
須藤彰三 ...... 809

■現代物理のキーワード
屈折率って何?―現代の"巨視的電磁場"問題―
迫田和彰 ...... 812

■解 説
RRAMの原理はどこまで理解できたのか?
井上 公 ...... 814

■最近の研究から
太陽系を作った超新星爆発はいつ起きたのか?―宇宙核時計ニオブ92―
早川岳人,梶野敏貴,千葉 敏 ...... 824

磁気スキルミオンとモノポールの織りなす創発的電磁現象
高嶋梨菜,藤本 聡 ...... 830

多次元自由エネルギー面で捉える生体分子の力学応答
鈴木洋一 ...... 835

逆磁気光学効果を用いた偏光―磁化振動の3次元転写
佐藤琢哉 ...... 840

■シリーズ「国際光年IYL2015に寄せて」
なぜ光電子増倍管(真空管)か?~~~極限計測の為に~~~
大村孝幸,下井英樹,河合克彦,小玉剛史 ...... 845

■話 題
青色発光ダイオード開発には何が必要だったか?  平松和政 ...... 851

■話題―身近な現象の物理―
天体・日常・微小スケールをつなぐクレーターの物理  桂木洋光 ...... 855

■JPSJの最近の注目論文から
7月の編集委員会より  上田和夫 ...... 859

■追 悼
Samuel Frederick Edwards 教授を偲んで  土井正男 ...... 861

■新著紹介 ...... 862
半導体の光物性:片山郁文
Quantum Chromodynamics at High Energy:板倉数記

カテゴリ

2018年 2017年 2016年 2015年 2014年 2013年 2012年 2011年 2010年 2009年 2008年 2007年 2006年 2005年 2004年 2003年 2002年 2001年 2000年 1999年 1998年 1997年 1996年 1995年
Powered by Movable Type 6.3.6

このアーカイブについて

このページには、2015年11月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2015年10月です。

次のアーカイブは2015年12月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。